2020年02月10日
社会貢献活動のプラットフォームを作ろうとしているソーシャルアクションカンパニー株式会社。さまざまなパートナーとコラボしながら、誰もが日常的に社会貢献活動ができる社会を目指している。人々の暮らしを変える新たな展開とは。今後の目標についても聞いた。
ソーシャルアクションカンパニー株式会社 CEO佐藤正隆さん(中)と、PR 湊谷亜斗林さん(右)、八島アリソンさん(左)
──ユーザー数を増やすために、どのような取り組みをされていますか?
佐藤 今、アクトコインの付与には、ボランティアへの参加、SNSでのシェア、寄付という3つのアクションがありますが、これに「デイリーアクション」という機能を加える予定です。
湊谷 「デイリーアクション」は、「毎日誰でもできる社会貢献」という位置付けのアクションです。たとえば、レジ袋をもらわない、マイボトルを持ち歩く、不要なものを買わないなど、日常のなかでほんの少し消費行動を意識した行動に対し、500アクトコインを付与する予定です。
「STOP THE WAR」をスローガンに始まったミス・グランド・インターナショナル2019日本代表に選ばれた湊谷亜斗林さんは、ラオスのクラスター爆弾撤去活動にも関わっている
佐藤 地方在住の方や、子どもが小さい専業主婦、忙しいビジネスパーソンなど、「ボランティアに参加したいけれど、できない」という声をよく耳にします。「デイリーアクション」は、そういう時間や場所に制限がある方たちが、無理なく社会貢献活動できる「手軽なアクション」だと考えています。
──FRaUのSDGs号の巻末にも「今日からできる100のこと」という項目を掲載し、地球の未来のために、まずは日々の生活を変える一人ひとりの小さなアクションが大事だと紹介しています。
佐藤 そもそも、FRaUのSDGs号は、弊社の取締役でもあるソーシャルグッドプロデューサーの石川淳哉が、大学の同級生でもあるFRaUプロデューサーの関さんに話を持ちかけ、実現したプロジェクトなんです。弊社の取締役3人はそれぞれが別の会社を経営していたのですが、SDGsのゴール達成には社会貢献活動をする人を増やすことが不可欠だという思いで、この会社を立ち上げました。
湊谷 私たちは社会貢献活動をする人たちを「ソーシャルアクター」と呼んでいますが、ソーシャルアクションカンパニーが目指すのは、日常生活で当たり前に社会貢献をする「ソーシャルアクター」を増やすこと。そのために、まずは社会活動、SDGs活動の見える化から着手して、今、少しずつ活動を広げているところです。
──御社では学生のインターンも多く活躍しているとお聞きしました。
八島 はい。私も現役の大学生で、インターンとしてアクトコインの運営に関わっています。
「環境・社会問題にもすごく関心が高く、一生懸命」と評価の高い、大学生インターンの八島アリソンさん
佐藤 弊社では現役学生の運営チームを組成しているのですが、それは10代・20代のアクトコインのユーザーやソーシャルアクターを増やしたいからです。大人はもう頭がかたくなっている人が多いので、柔軟な発想ができる若い世代に入ってもらい、広げていきたいという思いがあります。
湊谷 ソーシャルアクターは、あくまで自発的に社会貢献活動をする人たちを表しています。「就活に有利だから」「流行だから」と弊社のインターンに来た学生もいましたが、定着するのは八島さんのように、しっかりと社会貢献意識の高い学生さんです。
八島 石川(取締役)が大学でSDGsについて講義をしてくれたことがあったのですが、その時にアクトコインの話を聞いて、すぐにインターンに応募しました。それまで、社会貢献に興味はあったのですが、自分では何をどうすればよいかもわからなかったので、「可視化する」という理念にすごく共感しました。
実際に関わってみると、外から考えていたよりも大変な部分もありますが、より深く関わらせていただいたことで、SDGsのゴール達成を強く意識するようになりました。日々勉強させていただいています。
──今後の展開について教えてください。
佐藤 今後は、ためたアクトコインを1コインあたり1円の換算で非営利団体に寄付できるプログラムや、企業に協力してもらい、環境や社会に配慮した商品と交換できる仕組みを考えています。多くの企業がSDGsを意識した商品開発を進めているなか、そうした新しい商品をソーシャルアクターたちが使うことで、消費行動を見直す流れができればと考えています。
ソーシャルアクションカンパニー株式会社 CEO佐藤正隆さん
湊谷 たとえば、アクトコインで化粧品や生活必需品などでエシカルな商品と交換できるようになれば、毎日がんばってアクションをしようという動機付けにもなると思います。
佐藤 グレタ・トゥーンベリさんの活躍もそうですが、社会にインパクトを与えられるのは若者だと思っています。たとえば寄付にしても、これまでは大企業がNPOに一方的に寄付をするケースが多かったのですが、「U30寄付体験プログラム」のようなイベントを企画し、寄付をしたことのない多くの若者が「社会貢献」と「寄付」を同時に体験できるプログラムを開催することで、次世代を担うソーシャルアクターを育成することもできると考えています。今後、ユーザー数をもっと伸ばし、2025年くらいまでには、社会貢献のスタンダードなシステムに発展させていけたらいいなと思っています。
湊谷 SDGsの目標でいうと、アクトコインは、17番にあたるパートナーシップと協働を強く推進していくプラットフォームです。今後も、ユーザーやプロジェクトオーナーと一緒に、社会貢献の可視化とソーシャルアクターの育成に向けて、取り組みを進めていきたいと考えています。