「いつものコメダ」でくつろぐことがSDGsになる「コメダらしいサステナビリティ」 企業のSDGs取り組み事例vol.17

2021年01月16日

株式会社コメダ サステナビリティ推進本部 サステナビリティ推進室 間宮彩乃さん、小野真菜さん

誰もがくつろげる「街のリビングルーム」にこだわり、全国にフルサービス型の喫茶店を展開している株式会社コメダ。お客様に持続可能な「くつろぎ」を提供していくことが同社のSDGsだといいます。「お客様がくつろいでいるだけでSDGsに貢献できる」ための工夫など、SDGsの取り組みについて聞きました。

持続可能なくつろぎの場を目指す

──『コメダ珈琲店』といえば「名古屋発のモーニング」や「ボリュームたっぷり」というイメージを持つ方が多いと思いますが、一方で食べ残りを持ち帰れるなど、サステナビリティ活動に取り組んでいる印象も強くあります。御社がSDGsでいちばん大切にしていることを教えてください。

間宮 『コメダ珈琲店』は1968年に名古屋で1号店を開店して以来、お客様に「くつろいでいただく」ことを大事にしてきました。ですから、お客様にとっての「くつろぐ、いちばんいいところ」をいつまでも継続していけるよう、材料調達から店内装飾までこだわった店舗づくりを行っています。

小野 2018年に創業50周年を迎えたことから、コメダの願いをカタチにする「KOMEDA COMES TRUE.」を合言葉に掲げ、サステナビリティ活動を強化しています。あらためてコメダがお客様にとって"くつろぎ"の空間であり続けられるよう、「コメダらしいサステナビリティ活動」に力を入れています。

間宮 現在、地球温暖化は深刻な問題となっています。このまま何の対策もしなければ、2050年にはコーヒー豆の生産量が激減し、持続的に美味しいコーヒーをご提供することが難しくなるという報告もあります。そこで、当社では世界的な農産物取り扱い企業であり、環境対策と約500万もの農園に対して技術支援を行っているオラム社と取引を開始しました。地球環境にも生産者にも配慮したコーヒー豆を使うことで間接的に、現地のコーヒー農園を支援し、SDGsの「目標13 気候変動に具体的な対策を」「目標15 陸の豊かさも守ろう」はもちろん、「目標1 貧困をなくそう」「目標9 産業と技術基盤の基礎をつくろう」の目標達成も目指しています。

──今年の夏には、SDGsを体感できる店舗や、サステナブルな食材にこだわった新業態の店舗もオープンし話題となりました。こちらのお店について詳しく教えてください。

小野 7月に大和証券さんとのコラボレーションでオープンした『コメダ珈琲店 吉祥寺西口店』は、SDGsを身近に感じていただけることを目指した新店舗です。店舗デザインやSDGsカードの設置、石灰石からできたメニューブック、エコストローの採用など、お客様が店舗へご来店いただくことでSDGsを知り、実際に触れることができる工夫を凝らしています。

これらはすべて、SDGsの「目標12 つくる責任 つかう責任」に貢献したいという思いから実施している取り組みです。

SDGsカードには、「必要以上に紙を使わない」など、少し意識すれば誰でもできる簡単な取り組みが書かれています。お客様だけでなく、従業員にとっても「これが森林を守ることにつながるんだ」「あっ、こんな小さなことでいいんだ」という気づきにつながり、「SDGsってそんなに難しくない」と思ってくださる方が増えたらいいなと思っています。

店内に貼られているSDGsカードの一例

間宮 100%植物由来のメニューだけを扱った新業態ブランド『KOMEDA is (コメダイズ)』は、環境負荷の少ない"プラントベース(植物由来)"のメニューだけを扱った喫茶店です。地球温暖化の大きな原因のひとつは、畜産業だと言われています。家畜が排出するメタンガスや、畜産による水質汚濁や森林破壊、大量に水を使用することなどが、大きな問題となっています。週に一度や月に一度だけでも肉を休む日をつくり、美味しさと食べごたえにこだわるコメダらしいメニューをプラントベースで楽しむことで、お客様が自然とSDGsに貢献できると考えました。

店名のKOMEDA isに続く□(枠)のなかには、「サステナブル」「おいしい」「くつろげる」など、それぞれが思い描くコメダのイメージを自由に入れていただけるようになっています。そこには、すべてのお客様に愛される店舗を目指したいという想いが込められています。

「地球とくつろぐ喫茶店」をコンセプトに掲げている『KOMEDA is 東銀座店』

「お店でくつろぐことがSDGsになる」コメダのサステナビリティ

──喫茶店のなかではいち早くSDGsに取り組んだ御社ですが、来店されるお客様はやはりSDGsに高い興味関心を持っている方が多いのでしょうか。お客様にSDGsを「自分ゴト」としてとらえてもらうために、どのような工夫をされているのか教えてください。

小野 「環境にいいからやりましょう」「おいしくはないけど、我慢して食べてください」では続きませんよね。新業態『KOMEDA is 』では、美味しさと食べごたえにも徹底してこだわっています。何も知らずに食べて驚くお客様もいらっしゃいますし、100%プラントベースということを知っているお客様からも「本物のお肉みたい」というお声をいただいています。

「ダイズミート」のパテに、天然醸造、熟成の伝統調味料を贅沢に使った
オリジナルの照り焼きソースを合わせた、べっぴんバーガー"アボ照り"

間宮 コメダはお客様に"くつろぎ"を提供し続けるという強い思いがあります。ですから、お客様が「ただお店でくつろぐだけで地球問題の解決につながる」ということも大事にしています。特別なことをしなくても、SDGsに貢献できる、そんな場でありたいと考えています。

喜びと楽しみで「SDGsの輪」を広げる

──大和証券さんをはじめ、さまざまな企業とのコラボも積極的に行っている御社ですが、先日行われた『もったいないばあさん』とのコラボキャンペーンも大好評だったと伺いました。

小野 コメダが創業以来「もったいない精神」を持って事業に取り組んでいることから、資源と環境の大切さを訴える「もったいないばあさんプロジェクト」に共感し、「コメダ式サステナスタンプ」を実施しました。

ドリンクのご注文でもらえるスタンプを5個集め、さらに「もったいない」を学んでクイズに正解した方から抽選で500名様に「もったいないばあさんオリジナル ステナイカップ&ソーサー」をプレゼントしたのですが、おかげさまで予想を上回るたくさんのご応募をいただきました。

コメダ珈琲店ともったいないばあさんがコラボした、
「もったいないばあさんオリジナル ステナイカップ&ソーサー」

間宮 コメダ珈琲店の有田焼カップには厳しい品質基準があり、どうしても基準をクリアできないカップが生まれてしまいます。そこで、廃棄予定のカップを「ステナイカップ」として再生することで、資源の活用に貢献しました。「せっかく職人さんが想いを込めて作ってくれたカップを、使えるのに捨てるなんてもったいない」という想いは、 まさに『もったいないばあさん』の精神と合致します。プロジェクトを応援することで、「SDGsの輪」がもっと広がるお手伝いができたら嬉しいです。

──SDGsの輪」が広がることで、ほかにも新しいご縁が生まれているそうですね。

間宮 当社のホームページやSDGsのキャンペーンをご覧になった他企業様からコラボやご相談をいただく機会が増えました。また、小学校から大学まで、学校の授業でコメダのSDGsを紹介してほしいというご相談も多くいただくようになりました。

小野 9月には名古屋の小学校4年生に向けてSDGsの出張授業を行いました。消臭効果もあるコーヒーかすを使った新しい商品のアイデアをみんなで一緒に考えたのですが、実現できそうな意見も多くあり、非常に盛り上がりました。

──SNSなどでも積極的にSDGsを発信していらっしゃいますが、SNSの活用は今後喫茶店の経営でも重要だとお考えでしょうか。

小野 3月からコメダ珈琲店の公式コミュニティサイト『さんかく屋根の下』を公開しています。SDGsの取り組みやキャンペーンなどにはたくさんの「いいね!」がつくなど反響が多く、とてもうれしく思っています。

コメダ珈琲店の公式コミュニティサイト『さんかく屋根の下』

間宮 『コメダ珈琲店』は全国で展開しており、特に地方ではインターネットよりも店舗がいちばんのメディアです。お店でSDGsを体験する方が増えることでコミュニケーションが広がり、やがて日本中に「コメダらしいサステビリティ」が広がってくれたらうれしいです。


SDGsのためにこれをやろう」ではなく、お客様に笑顔でくつろいでいただくことを大事にしながら、その先が自然とSDGsにつながるということを意識しているというコメダ。「無理なく自然に」取り組めるSDGsは、多くの企業や人々の参考になりそうです。

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