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"ダイハツらしさ"が詰まった、移動販売をサポートする新サービス「Nibako」 ── 地域活性化に寄与するダイハツの新たな挑戦

2022年09月29日

9月6日(火)、ダイハツ工業株式会社(以下、ダイハツ)は、移動販売の事業者をサポートする新サービス「Nibako(ニバコ)」の提供を開始することを発表。このサービスを通じて、同社は「地域の暮らしを豊かにしたい」と語ります。なぜ移動販売が地方活性化に寄与するのか。同日に開催された、メディア発表会の様子を交えてご紹介します。

メディア発表会に登場した、ダイハツ工業株式会社 代表取締役社長 奥平総一郎さん

ダイハツの「歴史」と「スローガン」がそのままカタチになった新サービス

9月6日(火)にスタートした、ダイハツの新サービス「Nibako」は、軽トラックと荷台に載せる荷箱をセットで貸し出すオールインワン移動販売パッケージです。これにより、移動販売を始めたいと考える事業者のハードルを大きく下げることに寄与します。料金は、1日の場合は1万3,200円〜、もしくは1ヵ月の場合は6万6,000円となっています。

ダイハツをよく知らない方からすると、なぜ自動車メーカーが移動販売のサポートをするのか、不思議に思うかもしれません。しかしこれは、ダイハツの歴史とスローガンを鑑みれば、実に"ダイハツらしい"サービスと言えます。

同社の創業は1907年。当時輸入に頼っていた発動機、すなわちエンジンを国産化すべく、大阪で生まれた会社が起源です。その後1951年に、現在の「ダイハツ工業株式会社」へと社名を変更。そして創立50周年を迎えた1957年、軽三輪車「ミゼット」が、商店や小口配送業者の間で大ヒットを記録しました。ミゼットは、インドネシアやタイなど多くの国にも輸出され、人々の暮らしを支えました。

1951年に発売されると、「ミゼット」は使いやすさや経済性で人気を博した

つまり、ダイハツの歴史はそのまま、小さいクルマで人々の暮らしを支えてきた歴史なのです。そして同社のスローガンは「Light you up」=「あなたを明るくする」。今回の新サービスはまさに、同社の歴史とスローガンがそのままカタチになったものなのです。

「Nibako」の提供は、ダイハツの地域活性化活動のひとつ

Nibakoは、昨年より小売事業者を対象にした実証実験を重ね、ついに今年、本格的に展開し始めるサービスです。事業開始にあたり開催されたメディア発表会では、随所にダイハツの「人々を明るくしたい」という思いが感じられました。

発表会の開始とともに登場したのは、ダイハツ工業株式会社 代表取締役社長の奥平 総一郎さん。冒頭の挨拶では、Nibakoの目指す姿について次のように語りました。

「ダイハツはグループスローガン『Light you up』のもと、世界一のスモールカーづくりと、モビリティ社会づくりへの挑戦を通し、お客様に寄り添い、暮らしを豊かにすることをビジョンとしてまいりました。モノづくり、コトづくりの両輪で全国津々浦々の販売会社とともに地域の方々の暮らしを豊かに、そして日本を元気にしたい。Nibakoプロジェクトは、地域活性化の活動のひとつだと考えています」

移動販売をサポートする「Nibakoプロジェクト」は、地域の人たちに寄り添って地域を豊かにする、ダイハツの地域活性化活動でもある 画像提供:ダイハツ工業株式会社

奥平社長は、多くの商品が量販店やECサイトで販売され、ワンクリックで翌日に届く時代において、「買い物の楽しさが損なわれているのではないか」と感じたと語ります。そのなかで、「消費者と直接コミュニケーションを取ることのできる"移動販売"は、温もりや笑顔、特別なサービスを届ける力がある」ことに着目したそうです。

「移動販売」には、ECサイトでは味わえない、買い物の楽しさなどの付加価値があるとダイハツは考えている 画像提供:ダイハツ工業株式会社

長く続くコロナ禍のなかで、多くの人々が不安を抱えています。人々を"明るく"する移動販売事業のサポートは、まさにダイハツのスローガン「Light you up」を体現したものと言えるでしょう。

「移動販売を行いたい事業者と、買い物に人との出会いや会話の楽しみを求める消費者をつなぐ、架け橋になりたい。さらにNibako事業者だけでなく、出店場所を提供する地域の方々、イベント事業者、商品提供者、販売ツールなどを提供する方々、そして消費者をつなぎ、すべての方々にうれしさの連鎖を実現させたい」とNibakoを通じた社会貢献に、奥平社長は終始、強い意欲を示しました。

目指すのは、"うれしさ"が連鎖していく仕組みの構築


Nibakoでは、軽トラックと荷箱をセットで貸し出す 画像提供:ダイハツ工業株式会社

Nibakoは、本体と内装備品で構成されており、テーブルや棚、商品などがすべてNibakoの中に納まるオールインワンパッケージとなっています。また、簡単設営・簡単撤収を実現している点も特徴のひとつです。

さらに「Nibako」のウェブサイトでは、小売事業者に向け、販売場所の紹介やマーケティング情報の提供、事業者同士のチャットコミュニケーションサービスなどを展開。消費者には、出店情報の提供や、口コミ評価の投稿、決済やポイントの付与も検討していると言います。デジタルを利用してスタートアップをサポートするとともに、事業者、場所の提供者、消費者、それぞれに向けて"うれしさ"が連鎖していく仕組みを構築していくことを目指すと言います。

すべてのステークホルダーが"うれしさの連鎖"を味わえることを目指す、「Nibako」のウェブサイト 

事業者、市町村とつながることで、地域のインフラとしての役割にも期待

今回のメディア発表会では、Nibakoの実証実験に参加した事業者の方も登場しました。

たとえば昨年の夏、京都で日本初のゼロ・ウェイスト(廃棄ゼロ)なスーパーマーケットをオープンし、話題となった「斗々屋(ととや)」は、「Nibakoを使えば、お店で待っているだけでは出会えないお客様に、斗々屋のメッセージを届けることができる。いろんな地域の方にゴミの出ない生活の楽しさを知っていただき、量り売りやゼロ・ウェイストショップの移動販売のモデルを展開できたら」と話しました。

Nibakoは、事業者の夢を後押しすることはもちろん、さまざまな事業者や市町村とつながることで、地域のインフラとして、地域活性化の役割も期待されます。

2022年度を事業トライアル期と位置づけ、東京、埼玉、千葉、京都の4エリアでNibakoを150台貸し出す予定。2023年度から全国に拡大し、2025年には3500台以上の稼働で事業の安定化を目指します。

"ダイハツらしさ"がそのまま詰まった、地方活性化に寄与する「Nibako」のプロジェクト。今後どのように進化し広がっていくのか、SDGsの観点からも、期待が高まります。

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