2023年05月24日
日本全国の子どもたちに絵本の楽しさを届ける、講談社の「本とあそぼう 全国訪問おはなし隊(以下、おはなし隊)」のキャラバンカーがリニューアル。SDGsのゴール達成に向け、さらに取り組みを拡大させています。
どこでも子どもたちに大人気の「おはなし隊」
講談社の「おはなし隊」は、子どもたちと本との出会いの場をつくる、講談社のSDGsへの取り組みのひとつです。1999年7月にスタートし、これまでに2台のキャラバンカーに各550冊以上の絵本を積載して、全国47都道府県2万3000ヵ所以上の幼稚園、保育所、小学校や図書館、書店などを訪問してきました。
キャラバンカー内には、本棚が並び、そこには各出版社が発行しているさまざまな絵本がずらり。子どもたちは自由に閲覧することができます。
「おはなし隊」の届けた絵本に夢中の子どもたち
さらに、「おはなし隊長」による絵本の読み聞かせや紙芝居なども実施。子どもたちの笑顔を育むことはもちろん、SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」のゴール達成に貢献する取り組みでもあります。
この活動は社会的にも高く評価され、2007年に第55回菊池寛賞、2018年に企業による芸術文化を通じた、社会創造の観点で特に優れた活動を顕彰する「メセナ大賞」を受賞しました。
また、その活動は国内に留まらず、コロナ以前はインドで「もったいない」の大切さを伝える絵本『もったいないばあさん』シリーズ(著・真珠まりこ氏)の読み聞かせキャラバンを行うなど、海外にも活動の幅を広げていました。
インドでの読み聞かせの様子 詳しくはこちら
しかしコロナ禍の影響で、2年半ほど活動を休止。2022年7月の東北訪問より活動を再開し、全国に再び、絵本と"おはなし"、そして笑顔を届けています。
この取り組みを加速すべく、2023年5月、講談社の新ロゴやコーポレートカラーをあしらったデザインにキャラバンカーをリニューアル。車体の側面には、人気の『パンダたいそう』シリーズのパンダも登場しています。
リニューアルされた、キャラバンカー。車体には子どもたちに人気のキャラクターが描かれている
これまで以上に活動の幅を広げていくため、キャラバンカーの車体だけでなく、活動内容についても見直しました。
「『おはなし隊』はこれまで、"おはなしを届ける"ことを中心に活動してきました。しかし今後は『届ける』だけに留まらず、人が集まるきっかけや場所をも生み出す『装置』としてもご活用いただけるよう、活動の場を広げていきたいと考えています」(講談社 広報室 担当部長 丸山紀子)
具体的には、これまで地方への訪問が中心だった活動に、東京近郊の強化を加えます。
「2台あるキャラバンカーのうち、1台は東京近郊の訪問を強化して活動します。首都圏での認知度を上げ、さらに多くの子どもたちに絵本との出会いを創出したいと考えています。もう1台は、これまで通り、全国訪問をメインに行っていきます」(丸山)
「おはなし隊」の活動が新体制となり、その第1弾としてスタートしたのが、東京都公園協会との連携による「出前キャラバン」です。同会と連携し、4月22日から月に3〜4回程度(雨天中止)、代々木公園や木場公園、駒沢公園など東京都の大型公園にて、「おはなし隊」が週末に登場します。
10時から15時まで公園に「出動」するキャラバンカー内の絵本を自由に閲覧してもらうほか、1日に3回ほど、30分の読み聞かせも開催。公園に遊びに来た親子に本の楽しさを届ける特別な読書体験を提供していきます。
公園で行った「おはなし隊」の様子
「今後、『おはなし隊』の活動の場をさらに広げていきたいと思っています。この取り組みは、その第一歩だと捉えています」(丸山)
キャラバンカーのリニューアルを機に、「おはなし隊」のホームページもリニューアルしました。サイト内では読み聞かせ動画も豊富に紹介しています。
「『おはなし隊』は今後、SDGsのゴール達成に向けて、さらに歩みを加速していく予定です。活動にご興味のある企業・自治体の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。これからも、ひとりでも多くの笑顔を創出していけるよう、パートナーシップを拡充し、活動の場を広げていけたら、うれしいです」(丸山)
筆者プロフィール
講談社SDGs編集部
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