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「2030年、すべてのペットボトルを100%サスティナブル素材に」──日本コカ・コーラ サスティナビリティー戦略発表会レポート

2021年06月01日

日本コカ・コーラ 記者発表会写真1

「容器の2030年ビジョン」(2018年1月発表)に基づき、使用済みペットボトルを回収し、新たにペットボトルとして再生する「ボトルtoボトル」を推進している日本コカ・コーラが、その目標達成に向けた今後の具体的な戦略を発表する場として、5月13日(木)、サスティナビリティー戦略発表会をオンライン配信で実施。
日本コカ・コーラ代表取締役社長のホルヘ・ガルドゥニョ氏と、女優の綾瀬はるかさんが登壇した発表会の模様をレポートします。

容器の2030年ビジョンに向けた3つのポイント

今、世界では「プラスチックごみ問題」が重大な懸念として、対策を急がれています。適切に処分されず流出したプラスチック製のペットボトルや容器が、最終的に行き着く先は海。2050年にはその量が魚の量を超えるという試算も出ているそうです。

日本では、生産されるプラスチック製品のうち、ペットボトルの割合は6%。ボトルto ボトルのリサイクルを推進することで、新規に石油由来の原料を使用しないため、プラスチックの削減に大きく寄与することになります。

発表会の冒頭に、ホルヘ・ガルドゥニョ氏から、持続可能なパッケージに対する日本のコカ・コーラシステム(原液の供給と製品の企画開発を行う日本コカ・コーラと、全国5社のボトリング会社等で構成)の新たな取り組みについて説明がありました。

日本コカ・コーラ代表取締社長のホルヘ・ガルドゥニョ氏

日本コカ・コーラ代表取締役社長のホルヘ・ガルドゥニョ氏

2018年、廃棄物ゼロ社会実現に向けた計画について発表を行ったザ コカ・コーラ カンパニー。それに伴い、コカ・コーラシステムは、設計、回収、パートナーという3つの柱に基づいて、活動を強化してきました。設計に関しては、「2030年までにすべてのペットボトルを100%サスティナブル素材に切り替える準備を進めている」と話すホルヘ氏。その3つのポイントとなるのが、「ボトルtoボトル」、「容器の軽量化」、そして「ラベルレスボトル」です。

ポイント1:ボトルtoボトル

ボトルtoボトルとは、使用済みペットボトルをリサイクルし、新たなペットボトルに再利用することです。コカ・コーラシステムは2020年の段階で、再生ペット樹脂の使用量28%を実現。同年には「い・ろ・は・す 天然水」の100%リサイクルペットボトルを発売しました。

さらに2021年5月31日には、「い・ろ・は・す 天然水」に加えて、基幹ブランドである「コカ・コーラ」と、主要ブランドである「ジョージア」の100%リサイクルペットボトルを導入。これにより、一般的なペットボトルと比較し、1本あたり約60%、さらに年間約3万5000トンのCO₂排出量を削減することが見込まれているとのこと。またこれら3つのブランドで100%リサイクルペットボトルを活用することで、石油由来原料から新たに作られるプラスチック量を約3万トン削減させることが可能になる予定です。

100%リサイクルペット

100%リサイクルペットボトルを活用する3ブランド


ポイント2:容器の軽量化

長年にわたり主要製品である「コカ・コーラ」、「爽健美茶」や「綾鷹」などの無糖茶、そして「い・ろ・は・す」で使用しているプラスチックボトルの軽量化に取り組んできたコカ・コーラシステム。5月31日よりさらに容器1本あたりのプラスチック使用量を削減し、軽量化された「コカ・コーラ」700ml、そして「ジョージア」ブランドの軽量化ボトル(500ml)が発売されます。「これにより、CO2排出量の削減をさらに見込むことができる」とホルヘ氏は話します。

100%リサイクルPETボトル

容器が軽量化されることで、CO2排出量の削減につながる

ポイント3:ラベルレスボトル

昨年、「い・ろ・は・す 天然水」のラベルレスボトルを発売。ラベルをなくすことは、ラベルをはがす手間がなくなるとともに、ゴミの分別が容易になるというメリットがあります。

今回、容器包装に使用されるプラスチックの削減をより進めるために、5月31日より、一部エリア・チャネルにおいて、紙カートンを使用した「コカ・コーラ」などのラベルレス4本マルチパックのテスト販売を開始。成功すれば、同社のサスティナビリティーへの歩みはさらに加速することになりそうです。

「コカ・コーラ」 ラベルレス

紙カートンを使用した、ラベルレス4本マルチパック「コカ・コーラ」

最後にホルヘ氏は、2030年のパッケージビジョンを掲げました。現在ボトルtoボトル比率は28%を達成。2022年には50%、さらに2030年には90%リサイクル樹脂、10%植物由来樹脂のボトルを導入することによって、すべてのボトルを100%サスティナブル素材に切り替えることを目指すといいます。「廃棄物ゼロ社会へのコミットメントに従い活動を強化し、前進し続けることを約束する」と、ホルヘ氏は力強く宣言しました。

「自分にできる選択をしっかり考える」(綾瀬はるかさん)

続いて、長年「コカ・コーラ」のアンバサダーを務める綾瀬はるかさんをゲストに迎えたスペシャルトークが繰り広げられました。日本コカ・コーラ代表取締役社長のホルヘ・ガルドゥニョ氏も再び登壇。「SDGsカラーを意識した」というドレスをまとった綾瀬さんが、今回の日本コカ・コーラの取り組みに関する3問のクイズに挑戦しました。

日本コカ・コーラ 記者発表会写真2

クイズに挑戦する、綾瀬はるかさん

クイズを楽しんだあと、綾瀬さんは、「コカ・コーラ」とともに挑戦したいこととして「自分にできる選択をしっかり考える」というメッセージを発信しました。

日本コカ・コーラ 記者発表会写真3

「環境に優しい製品を私たち自身がちゃんと選んで、100%リサイクルペットボトルを実現していくというのが目標です」(綾瀬さん)

サスティナブル素材への切り替えは、今後グローバルトレンドに

半永久的に自然分解しないプラスチックごみが海に流出することで、海洋生態系への悪影響が懸念されている現在。ザ コカ・コーラ カンパニーが取り組む「プラスチックごみ問題」は、地球規模の課題を解決するためのSDGs活動と言えます。

「すべてのペットボトルを100%サスティナブル素材に切り替える」という宣言には、世界有数の飲料メーカーとして社会責任を果たそうという同社の力強い意志を感じるとともに、今後、サスティナブル素材への切り替えという動きが、世界的な大きな潮流となっていくことを予感させるものでした。

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