ランキングトップはトヨタ自動車! ビジネスパーソンが企業を評価「BtoB企業のSDGs調査2023」

2023年08月18日

2023年6月27日(火)、株式会社ブランド総合研究所が「BtoB企業のSDGs調査2023」の調査結果を公開。国内の有力なBtoB企業は、ビジネスパーソンからSDGs面でどのような評価を受けているのでしょうか。

企業間取引においても重視される「サステナビリティ」

世界的にSDGsへの取り組みの普及、促進が進むなか、企業や組織にも相応の対応が求められています。そのなかで、ブランド総合研究所の「BtoB企業のSDGs調査2023」では、国内の有力なBtoB企業256社、1万3078人の会社員または経営者を対象に、SDGsに関する調査を実施しました。

その結果、「サステナブル購買」(※)が「購買や調達する際の選定条件となっている」と答えた人は8.8%、「一部の購買や調達で選定条件としていることがある」は9.7%で、合わせて18.5%が「選定の条件になっている」と回答。また「選定条件とはしていないが、購買や調達の際の参考にしている」とした人は16.4%で、合計で、約35%が「サステナブル購買を行っている」ことがわかりました。

※企業や組織が製品やサービスを調達する際に、環境的、社会的、経済的な持続可能性の観点から考慮し、選択すること

このことから、企業間の取引においても「サステナビリティ」(SDGs)の重要度が高まっている様子がうかがえます。

BtoB企業の評価が高いトヨタ自動車のSDGs

では、サステナビリティに対して高い意識を持つビジネスパーソンが、SDGsへの取り組みを評価しているのは、どのような企業なのでしょうか。

回答者の中で、企業間取引(購買・利用)に関与していると答えた人だけを対象に、各社のSDGsへの取り組みに対する評価を集計。「あなたは各社がSDGs(持続的な開発目標)への取り組みをしていると思いますか」という質問に対し、ひとりあたり10社を示し、5段階でその取り組みを評価・集計した結果、SDGsへの取り組みについて、もっとも高く評価されたのは、「トヨタ自動車」でした。

企業間取引に関与するユーザーが、もっともSDGsへの取り組みを高く評価した企業は「トヨタ自動車」

トヨタ自動車は、「(SDGsに)本格的に取り組んでいる」との回答が30.6%と、256社の中でもっとも高く、「(SDGsに)少し取り組んでいる」(21.5%)との合計では、半数を超える52.1%を獲得しました。

なお2位以降は、パナソニック、日産自動車、本田技研工業と大手企業が続く結果となっています。トヨタ自動車も含め、これらの企業はすべて、グローバル企業です。このことから、SDGsに本気で取り組むことは、グローバル展開においても重要であると考える企業が増えていることがわかります。

ESG活動への評価も高いトヨタ自動車

トヨタ自動車は、各社のESG活動(SDGsの「17のゴール」と類似している項目は省く)の評価においても、ビジネスパーソンから高い評価を受けています。
「環境に配慮している」や「社会貢献活動をしている」「国際化が進んでいる」「スポーツや文化活動に熱心」「コンプライアンスを遵守している」の5項目でもっとも高い評価を獲得しています。

ESG評価の高い企業(ブランド総合研究所調べ)


SDGs17のゴール別評価「12.作る責任、使う責任」でもトップ

さらにトヨタ自動車は、SDGs17のゴール別の評価においても、「12.作る責任、使う責任」でトップ。ビジネスとSDGsを両立しているイメージが、ビジネスパーソンにも深く浸透していると言えそうです。

SDGs17のゴール別の取り組み評価ランキング。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が3つの項目でトップとなった

SDGsの情報源は「テレビ」か「ネット媒体」

現代のビジネスパーソンたちが高く評価した、トヨタ自動車。こうした企業のSDGs情報を、彼らはどうやって入手しているのでしょうか。

各社のSDGs情報入手経路でもっとも多かったのは「テレビCM」で11.4%、次いで「テレビ番組やニュース」が9.9%でした。以降、「企業のホームページ」(8.6%)、「ネットニュースや情報サイト」(7.7%)、「新聞や雑誌の記事」(6.9%)という結果となりました。

「ネット動画やSNS」(3.7%)が低いことから、ビジネスパーソンの多くは、「信頼できる情報源から正しい情報を得たい」と考えている様子がうかがえます。

SDGs情報の入手経路で最も高いのは「テレビ」(ブランド総合研究所調べ)

冒頭に紹介した「サステナブル購買」のように、「サステナブル」(SDGs)は現在、BtoCだけではなく、BtoBでも重視されるキーワードになっています。ビジネスとSDGsがより近づいてきたことで、企業のSDGsへの取り組みも、今後さらに加速していくことになりそうです。

「BtoB企業のSDGs調査2023」とは

20歳~69歳の会社員、および経営者、役員を対象に、2023年5月1日から3日にかけてインターネットで調査を実施し、各社1,000人(1人の回答者には10社について評価)となるように計26,000人(不完全回答や信頼度の低い回答は集計対象外としたため、計23,228人)の回答を集計。調査はビジネスマンや購買担当者が、調査対象企業のSDGs評価、17ゴール別の評価、ESG活動の評価についての設問を設けたほか、各社の認知度、好感度、就職意欲などについての質問も設け、ビジネスマンや受発注担当者による各社の SDGs評価や効果を測定した調査。
<調査方法>
インターネット調査
調査対象国内で企業間取引の多い256社(業種別に売上高が大きい企業を中心に抽出)
※1人の回答者はあらかじめ指定した10社について評価
回答者登録調査モニター(約450万人)から全国の20~69歳の会社員、経営者、役員
総回収数計26,000人 (各社1,000人ずつとなるように回収)
有効回答数:計23,228人 (不完全回答および信頼性の低い回答は集計対象外とした)
調査時期:2023年5月1日~5月3日
調査項目:「①SDGs評価指数」「②ESG活動評価」「③企業評価指標」「④購入や利用経験」、「⑤購買・調達の関与」の5つの調査テーマおよび、回答者属性より構成


●関連リンク
BtoB企業256社のSDGsをランキング。トヨタが3冠王【BtoB企業のSDGs調査2023】
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000084.000000266.html

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講談社SDGs編集部

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